亀井洋一郎 展
モルフォロジー/コスモロジー

2025年 3 月 1 日(土)〜 3 月 23 日(日)

水曜~日曜 : 11:00 ~17:00
展覧会最終日: 11:00 ~16:00

休 廊 : 月曜、火曜

作家在廊とトークの予定

・3月1日(土) 午後1時 ~午後4時 
・3月2日(日) 午後1時 ~午後4時 ー 午後2時から作品について話をします。是非、お気軽にお越しください。
・3月23日(日)午後1時 ~午後4時 

亀井洋一郎展 - モルフォロジー/コスモロジー

あーとらんどギャラリーは、2025年3月1日から3月23日まで、亀井洋一郎氏の個展「モルフォロジー/コスモロジー」を開催いたします。本展では、コロナ禍を契機に制作された新作ドローイング13点を展示いたします。

展覧会概要
* 期間:2025年3月1日(土)〜3月23日(日)
* 開廊時間:水曜日から日曜日、11:00から17:00まで(最終日は16:00まで)
* 休廊日:月曜日、火曜日
* 作家在廊:
* 3月1日(土)13:00〜16:00
* 3月2日(日)13:00〜16:00(14:00から作品についてのトーク開催)
* 3月23日(日)13:00〜16:00

香川県出身の亀井洋一郎氏は、大阪芸術大学で陶芸を学び、その後京都市立芸術大学大学院で博士号を取得。「光の受容器」をテーマとした博士論文を執筆し、INAXガレリアセラミカ新宿や世界のタイル博物館、アートコートギャラリーなど、国内の著名なギャラリーで個展を重ねてきました。

今回の展覧会「モルフォロジー/コスモロジー」は、二つの主要なテーマから構成されています。「境界のモルフォロジー」では生物の構造や形態の変化に着目し、「様相のコスモロジー」では自然界に存在する秩序や法則から生まれる現象を探求しています。

亀井氏は、コロナ禍の緊急事態宣言を機にドローイング制作を開始。小清水漸氏や若林奮氏のドローイング作品に影響を受けながら、独自の表現を追求してきました。本展の作品群は、「内外を区分する境界」と「それに伴う内的空間の様相」という二つのテーマを軸に展開されています。これらは、氏がこれまで磁器作品「ラティスレセプタクル」で探求してきたテーマの新たな解釈といえます。

作品は、緻密な「規則的なシステム」を基盤としながら、画面上に生じる自然な「揺らぎ」を取り入れることで、独特の造形世界を作り出しています。同一単位の集積という基本構造から、分裂と融合による形態の変化、そして特有の法則や秩序から生まれる事象のイメージへと展開していく過程は、見る者を魅了します。

あーとらんどギャラリーは、この貴重な機会に、亀井洋一郎氏の新たな芸術表現をご紹介できることを大変嬉しく思います。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

亀 井 洋 一 郎
1974年 香川県に生まれる  /2001年 朝日陶芸展でグランプリ受賞  /2006年 京都市立芸術大学大学院博士後期課程修了  /2010年 京都市芸術新人賞、香川県文化芸術新人賞受賞  /2014年 ジャカルタ現代陶芸ビエンナーレ(インドネシア国立博物館)に出展  /2016年 「工芸の現在」(菊池寛実記念智美術館)に出展  /2017年 「クロスポイント」(香川県立ミュージアム)、「物語る物質」(高松市美術館)に出展  /現在 沖縄県に在住

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亀井洋一郎  モルフォロジー/コスモロジー 

ドローイング作品を制作し始めたきっかけは、コロナ禍の緊急事態宣言でした。沖縄に移住して以来、日々の制作スペースを職場の設備に頼ってきた私にとって、よもやそこに立ち入れない状況になることは想像もしていませんでした。外出も制限され、やむなく自宅内の空間で非日常的な時間を過ごす中、そんな折にふと「今ならドローイングに取り組めるかもしれない」という気持ちになりました。

ドローイングに対するあこがれは、以前からありました。あこがれの記憶を辿ると、小清水漸さんのクレパスを用いたドローイングの連作や、若林奮さんの鉛筆で森の木々を描いた18点組の大作を知ったことがその始まりです。当時それらの作品を通して彫刻表現の本質を理解できたように思えましたし、作品から感じ得た各々の彫刻家としての矜持にも圧倒されました。

こうした自身の変化や憧憬を背景に開始された私のドローイング制作ですが、ひとまずその方向性として二つのテーマを設けました。ひとつが「内外を区分する境界」について、もうひとつが「それに伴う内的空間の様相」についてです。これらは私が磁器の作品『ラティスレセプタクル』で思索してきたテーマと同じものであり、そのような点において今回のドローイング作品は、これまでやきもので取り組んできた内容を別様の表現形式によって試みたヴァリエーションといえます。

境界は空間に容器性を与え、様相は体験される空間の性質を物語ります。そのうえで今回の制作に際しては、これまで以上に緻密な「規則的なシステム」の設定に先ずは意識を向けました。それは同一単位の集積という基本構造を明確に保ちつつ、画面上に生ずる自然な「揺らぎ」の要素を表現に取り込みたいと考えたからです。結果それらは多層状に重なり合うことで造形に能動性を与え、次第に作品は「分裂と融合によって形態が変化していくイメージ」や、「特有の法則や秩序から生まれる事象のイメー ジ」へと展開していきました。

本展ではこのような展開からなる二つのシリーズを中心に、13点の新作ドローイングを発表いたします。