周 豪 〜足跡を辿って〜

2024年 9 月 7 日(土)〜 12 月 1 日(日)(会期延長)

水曜~日曜 : 11:00 ~17:00
展覧会最終日: 11:00 ~16:00

休 廊 : 月曜、火曜


「 周豪さんの足跡を辿る集い 」のご案内
 日時 : 2024年 9月 8日(日) 14:00~15:30
 会場 : あーとらんどギャラリー

この度、周豪さんの足跡を辿る集いを開催いたし ます。周さんのご夫人の国居恵子さんをお迎えし、 周さんへの想いを共有する場を設けました。
当日の内容は以下の通りです。
● あーとらんどギャラリーより、企画展の経緯と概要 についてご説明いたします。

● 国居恵子さんからは、周さんの学生時代の写真アル バム、愛用していた道具、作品のエスキース、アイ デアの源となった「ひらめきの箱」などをご紹介い ただきます。

● 参加者の皆様には、周さんの作品や想い出につい てお話しいただけると幸いですが、参加していた だくだけでも大歓迎です。

どなたでもご参加いただけますので、どうぞお気 軽にお越しください。 皆様のご参加を心よりお待 ちしております。

描く人 II
同じ部屋で横並びに描いていたので この姿が、私には見慣れた風景。
毎日描く人  ひたすら描く人   一度も座らない人。
     油彩 F10 号 国居恵子

あーとらんどギャラリーでは、上海と横浜を拠点にアジアや欧州で活動してきた美術家 故 周豪(註)さんの展覧会「周 豪 ー足跡を辿ってー」を開催いたします。この展覧会は、2024年9月7日から12 月 1 日(日)(会期延長)まで開催され、彼の制作活動のエネルギーに圧倒されながら当画廊と共に歩んできた足跡を辿ります。

展覧会概要
* 題名:周 豪 〜足跡を辿って〜
* 会期:9月7日(土)〜 12 月 1 日(日)(会期延長)
* 会場:あーとらんどギャラリー
    1階ギャラリー、2階ギャラリー、および、半地下ギャラリー
* 営業:水曜日〜日曜日、11:00〜17:00まで(最終日は16:00まで)
* 休廊日 : 月曜日、火曜日

周豪さんの当画廊における展覧会活動は、最初の作品が画廊に届いた1999年5月から準備を始めて2000年3月の初個展を出発点として、以降2023年9月のグループ展まで休むことなく続けてこられました。2004年から2年毎に開催された個展は初回を含めて11回、アートフェアの個展は2回(2013年名古屋と2019年神戸)のほか、様々なグループ展やアートフェアーにも参加いただいてきました。

生涯制作された作品の種類は、初期から晩年までに展開されたものをリストアップすると、リトグラフ版画、モノタイプ、水彩、墨絵、スリップ(紙塊)、油彩、紙立体、ダルチスト(冊子)、銅版画、Pliage Collage(プリアージュ・コラージュ)、鉛筆画と多岐に及びます。時代変遷を見ると、版画やドローイングから油彩画へと移りながら、紙立体やコラージュ作品など独特の造形作品も産み出してこられました。

本展は2部構成とします。

第1部は周豪さんの当画廊における展覧会活動の足跡を1階と半地下のギャラリーで辿ります。初個展の2000年から2023年の最後のグループ展までに発表された作品の中から現時点で辿れる作品を、それぞれの年度毎の展覧会を時系列に沿って展示します。

第2部は、交流のあった皆様と共有する想い出を2階ギャラリーで辿ります。当画廊における皆様と周豪さんとの交流活動は、2000年からの個展毎にメッセージとして書かれたテキスト群、2014年・2016年・2018年のオープニング・トーク、2020年・2022年の紙を使ったワークショップなどをベースにして、皆様から寄せていただく想い出のものやメッセージをいっしょに展示します。
更に、周豪さんがコラージュを作るためにそばに置いていた箱(版画の端切れなど)や自分で使いやすいよう細工した道具なども展示します。

註) 2023年9月18日逝去、享年62歳

周 豪 Zhou Hao

1960年上海市に生まれる。6歳から高校までの十年間を文化大革命の中で過ごす。1983年私費留学にて来日、翌1984年東京武蔵野美術大学油絵学科に入学、3年次に新設された版画科に移り、同大学版画科の第一期生となりリトグラフを学ぶ。この時期から作品の傾向は次第に抽象的に変貌。同時期に柳宗悦の民芸思想にも触れ、感銘を抱く。鈴木大拙の禅論などをきっかけに自国の古典文化を意識し始め、老荘思想の書物を繙く一方、日本と西洋の現代美術に関心を寄せる。1987年に小山敬三美術振興財団の奨学金を受け、第1期アジア美術留学生としてレジデンスに参加、山梨県白樺美術館で滞在制作(東京吉井画廊協賛)。1989年に日本政府文部科学省(当時文部省)の奨学金を受ける。1990年に武蔵野美術大学大学院版画コース修士課程を修了後、東京都東麻布にあった益田祐作主宰の版画工房MMGに入社。描版と刷りの仕事をしながら版画作品の発表を続ける。2003年に退社、作家活動に専念。2008、2010 年二度に渡り、益田祐作さんの斡旋でフランスの Atelier Rémy Bucciali にて銅版画制作。2016年に LOVEART- Summer Artists Residence Project にてイタリア 滞在制作。2023年に逝去 享年62歳

作品発表:
1993年以降横浜と上海を拠点に制作活動を重ね、多くのアートフェアに参加しつつ、国内外各地で個展を中心に発表を続ける。今回あーとらんどギャラリーでは11度目の発表となる。

賞:
1987年に第12回大学版画展買上賞、1998年に第6回日仏会館ポスター原画コンクールで佳作賞を受賞。

作品の主な収蔵先:
ボストン美術館 (アメリカ)、 スミス大学美術館(アメリカ)、 町田市立国際版画美術館(日本)、 ポスター美術館(フランス)、国立美術館(ポーランド)、 武蔵野美術大学美術資料図書館(日本)、 Centre of international Graphic Work( ノルウエー)、神州版画美術館(中国)、 多摩美術大学美術館(日本)、 関口美術館(日本)など。

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周 豪さんの逝去

誠に悲しいお報せをしなければなりません。
去る9月18日に周豪さんがお亡くなりになりました。
享年62歳。

周さんが東京で参加した小品展、1月末にメールで連絡をもらった内容を参考にして、2ヶ月かけて立ち上げたディメンション Zero 展。これが最後の舞台になってしまいました。

1999年5月に最初の作品が画廊に届いて以来、休むことなく作品を展開するその制作エネルギーに圧倒されながらいっしょに走ってきました。 もうこれ以上希望はないのだと、8月末に掛かってきた電話で病状を聞いた後、3週間も経たずにあっという間に姿を消してしまったのです。 9月19日、逝去の報せを聞いた時は呆然として声も出ず、涙が溢れるばかりでした。何か夢を見ているような、よそ事のようにしか聞こえませんでした。

25日、横浜で無宗教での少人数の葬儀が執り行われる会場に着くと一番に周豪さんの亡骸に会いました。不意に訪れたその面影を覗き込んでも涙が湧いてきません。ついこの間電話で話したばかりなのに、目の前に冷たくなった周さんの顔があるなんて、この事実を受け入れることができなかったのです。

周 豪さん、長い間有難うございました。 これからも私たちが元気でいる限り、周さんの作品を伝え続けて行きますので、見守っていてください。
2023年10月12日 山下高志・英理子


追伸
今年5月に来年の個展をお願いしようとメールでやりとりし、10月に開くことに決まっていました。これがまさか遺作展になるとは・・・。
そこで命日を挟んで遺作展に替えようと、下記の予定に変更しました。

周 豪 遺作展  2024年9月7日(土)〜10月6日(日)