梶浦徳雄 展

2024年4月6日(土)〜28日(日)

水曜~日曜 : 11:00 ~17:00
展覧会最終日: 11:00 ~16:00

休 廊 : 月曜、火曜

作家在廊:毎週、土・日曜日 お気軽にお越しください。

プレスリリース

梶浦徳雄展 - 存在と空間の探求

あーとらんどギャラリーは、2024年4月6日から4月28日まで、梶浦徳雄氏の個展を開催いたします。この展覧会では、梶浦氏が長年にわたり追求してきた「存在」と「空間」についての探究をテーマに、彼の新しい作品群を紹介します。

展覧会概要
* 期間: 2024年4月6日(土)から4月28日(日)
* 時間: 水曜日から日曜日、11:00から17:00まで(最終日は16:00まで)
* 休館日: 月曜日、火曜日 * 在廊日: 毎週土曜日、日曜日

岡山県生まれの梶浦徳雄氏は、東京藝術大学で学んだ後、ウィーン美術大学で彫刻を学び、ヨーロッパ各地での展示を経て、日本国内でも幅広く作品を発表してきました。彼の作品は、「間」(ma)という日本固有の概念を拠り所にして、存在と空間、物質と虚無の間の関係性を探求しています。

今回の展覧会「梶浦徳雄展」では、白い空間や多重空間、赤い空間といった、立体と平面を通じて空間の構造を探る作品を展示します。これらの作品は、見る者に実空間と虚空間、そしてそれらが織りなす「ma」のエレメントを感じさせることでしょう。

梶浦氏の作品は、形と色、光と影を巧みに操りながら、観る者に日常とは異なる視点で空間と存在を考えさせる独特の美学を提示します。この個展は、梶浦氏がこれまでに培ってきた芸術観と、彼の作品を通じて私たち自身の存在と周囲の空間に対する認識を深める機会を提供します。

あーとらんどギャラリーは、この特別な展覧会を通じて、梶浦徳雄氏の繊細かつ深遠な芸術世界を皆様にお届けできることをに開催の意義を感じています。芸術を愛する皆様には、この機会をお見逃しなく、ぜひご来場いただき、梶浦氏の作品が語る空間と存在の物語に耳を傾けていただければ幸いです。

梶浦徳雄  略歴 (Kajiura Norio)

1951年岡山生まれ
1970年東京藝術大学工芸科デザイン専攻入学
1975年同大学院油画技法材料研究室入学 修了後同研究室に研究生として在籍
1981~82年国立ウイーン美術大学彫刻科に留学

その間にヨーロッパ各地の美術事情、美術と社会の結びつきに触れその密接でスムーズなあり方に感銘を受け当地での活動を志す 
1986年再渡墺しウイーン市に居住
1987年ウイーン市の画廊にて初の個展。その後ヨーロッパ(ドイツ、イタリア、スペイン、リヒテンシュタイン、ベルギー等)各地、各国で発表活動を行う

1991年より日本国内(東京、大阪、京都、岡山、熊本、丸亀、長崎、神戸等)での発表活動を再開
2017年末に帰国 岡山にアトリエを設け制作、日本を中心に各地で発表活動を行う。

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梶浦徳雄  テキスト

私の制作は『存在』という事についての興味から始まっています。空間、物質、事象等々何かが“ある”とか何かが“起きてる”って“どういう事?”って不思議だし考えるととても面白いンですよね。自分がいること自体もナンデ?と思っていまして、少しでも自身の存在を実感したいナ、出来ればナという思いで制作をしています。その過程で何かを感じられ、得られるンじゃないカナと。プラス、それによって自身の可能性を広げられ充実、成長、自分作りが出来ればナと。

この数十年タイトルに『ma』を記しています。日本語では『間』ですけど意味が限定的にならないようにアルファベット表記にしてまして、私の住んでいたオーストリアというお国ではお役所の略表記のようでして“これ何?”とよく聞かれましたね。単純な意味としては『distance』という事なんでしょうけど私には『存在』ってヤツの重要な要素に思えてまして『関係を作る事柄』として捉えているンですよ。

モノゴトは全て周りの環境、状況、触れ合い方等々により様々に変化をしつつそれぞれの個を成立させてンじゃないカナと。日常生活での触れ合いも当然ですし、制作について言えば材料、素材、道具ナドによってやりたい事、やれる事が変化しある程度の決定がなされると思うンですよね。

そこで重要なのが自分の特性と相手の特性の対話ですカネ。それを通してお互いの新たな可能性を感じ、活かしあう筋道を作れるンじゃないカナと。より真摯に対話を積み重ねる事で少しずつ『存在』についての実感ができるンじゃないカナと。展示、設置も『ma』を考える上での非常に重要な要素で作品と置かれる空間や状況が互いにより活きるという事には拘っています。
私が苦手とする一番は『trend』ってヤツ、あと世間話や昔話もですね。