櫻井伸也 展

2023年6月3日(土)〜6月25日(日)

水曜~日曜 : 11:00 ~17:00
展覧会最終日: 11:00 ~16:00

休 廊 : 月曜、火曜

美術家在廊 : 6月3日(土)、4日(日)

櫻井伸也 展 プレスリリース
あーとらんど ギャラリーでは、2023年6月3日(土)から6月25日(日)まで、日本とイタリア(トリノ)を拠点に活動するアーティスト、櫻井伸也の個展を開催します。今回は、櫻井伸也が2020年にイタリアで経験したコロナウィルスによるロックダウンから生まれた新シリーズ『Symbol』を中心に展示します。
新シリーズ『Symbol』は、櫻井伸也が困難な状況下で希望と祈りをテーマにした作品です。彼は作品制作に向き合いながら、アイコンをシンボルとして強調することで、より明確なメッセージ性を持つ作品制作に取り組みました。ツートンカラーで制作された作品は、限られた色とアイコンで表現される絵画がシンプルな表現を追求し、鑑賞する人にそのシンボルから受ける多様な思いや記憶、イメージを広く喚起される作品になることを目指しています。
一方、前回2021年の個展では、〈Delicious Colors〉シリーズが特徴的でした。そのシリーズは、「カラフルな水玉がポップで可愛らしく、透明感ある絵具がツヤツヤと光って鑑賞者の目を引きつける作品で、絵具に樹脂を混ぜることで独特なマチエールが作られています。スプーンとフォークの痕跡が印象的で、スイーツを連想させる視覚的要素が多分にあります。」と評されている(註1)ような視覚的要素が多分にありました。 それとは対照的に、今回の『Symbol』シリーズは、よりシンプルで洗練された表現を追求し、アイコンを用いた強いメッセージ性が際立っています。
これまでの櫻井伸也作品との違いや進化を感じることができる展示は、アーティストの成長や変化を垣間見ることができる貴重な機会となります。コロナという制約の中で生まれた独特の美学は、観る者に強い印象を与えるでしょう。 この櫻井伸也展を通じて、前回の個展からさらに進化した新しい表現を体験し、心が癒される希望と祈りのメッセージを感じていただきたいと思います。新たな挑戦と変化を追求し続けるアーティストの姿を堪能できる貴重な展示になりますので、ぜひお見逃しなく足を運んでいただきますようご案内申しあげます。

(註1) 吉川咲子(ふくやま美術館学芸員)櫻井伸也Delicious Colors / Symbol 2021年6月5日

櫻井伸也 SHINYA SAKURAI

1981 広島県生まれ
2004 大阪芸術大学芸術計画学科卒業
  トリノ・アルベルティ-ナ美術アカデミー舞台美術科入学
現在 日本、イタリア、フランス、ドイツ、スイス、スペイン、オーストリア、韓国、香港、台湾等各地で個展、グループ展を開催。ファション、ワインラベル、インテリア等のデザイン、コラボレートも手がける。
イタリア、トリノ在住

個展(SELECTED SOLO EXHIBITIONS)
2020“Symbol” Contemporary HEIS/東京(18.16.15.14)
  “Delicious Colors" ギャラリーパリ/横浜(18.16.14.12.10.08)
  "Delicious Colors" 福山天満屋アートギャラリー/福山(15.18)
  "Shinya Sakurai” Espace 446/大阪
2019"Delicious Colors" Galleria IL Castello/ミラノ/イタリア
  "Delicious Colors" あーとらんどギャラリー/丸亀(17.15)
  "Delicious Colors" Maeda Hiromi Art Gallery/京都(17.15.13)
  "Colors & Cultures” 香希画廊/富山
2018"My Favorite Colors" CARUSO GALLERY/メッシーナ/イタリア
  “Colors & Cultures" GlobArt GALLERY/アックイテルメ/イタリア
2017"United Colors" Galerie Lattemann/ダルムシュタッド/ドイツ
  "My Favorite Colors" Fondazione San Domenico/クレーマ/イタリア
2016 "United Colors" 岡山天満屋本店美術画廊/岡山
2015 "e intanto fioriscono i ciliegi" Eidos Gallery/アスティ/イタリア
2014 "Atomic heart" Maria Cilena Gallery/ミラノ/イタリア
2013 "UNITED COLORS" BASE GALLERY/東京
  "LOVE POOL" ギャラリーヤマキファインアート/神戸
2012 "LOVE POOL" Galleria Albanese Arte/マテーラ/イタリア
2011 "FLY The FLAG" The White Gallery/ミラノ/イタリア
2010 "ONE" Art Mark Gallery/ウィーン/オーストリア
2009 "INTELLIGENCE SURFACE"クレモナ現代美術センター/クレモナ/イタリア
2008 "LOVE COMMUNICATION" マチェラータ美術アカデミー/マチェラータ
2007"LOVE from HIROSHIMA" Galleria Arte Giovane/アスティ/イタリア
2006 "LIFE IS BEAUTIFUL" Gallery CATARTICA /トリノ/イタリア
2005 "NEW TYPE" ミラノ日本総領事館/ミラノ/イタリア

受賞(AWARDS)
2008 ファイナリスタ/ローマ国際青年美術コンクール/ローマ文化連邦局/ローマ
2007 ヒロシマスカラシップ奨学生/公益財団法人ヒロシマ平和創造基金
2005 優秀賞/国際青年美術コンクール/カロッソ市/イタリア
2004 NHK大阪放送局長賞/2004大阪工芸展/ATCデザインミュージアム/大阪
2003 大阪造幣局長賞/2003大阪工芸展/ATCデザインミュージアム/大阪

コレクション(COLLECTION)
Roberto Bilotti Ruggi d'Aragona現代美術館/コゼンッア/イタリア
Fondazione San Domenico/クレーマ/イタリア
カストラ-ノ市庁舎/カストラーノ/イタリア
クレモナ県立現代美術センター/クレモナ/イタリア
Galleria Vik Milano/ミラノ/イタリア

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櫻井伸也 テキスト

2020年イタリア、トリノでCovid(コロナウィルス)の影響で2ヶ月間のロックダウンを経験する事となった。 作品制作に集中する事も難しく作品を制作する事自体を自問自答することになった。 そのような状況の中で作品制作に向き合っていた時、この過酷な状態が終わった後の、希望と祈りをテーマに作品を制作しようと思い至った

今までの私の作品制作の重要なテーマであるアイコンをより明確な形で使用する事で強く明確なメッセージ性のある作品制作を始めた。 アイコンをシンボルとして強調する為、多色を使用する事無く、ツートンカラーで作品制作を始めた事により限られた色とアイコンで表現される絵画は、よりシンプルな表現となり絵画の表面上だけの情報から得られるものだけではなく、鑑賞する人にそのシンボルから受ける多様な思いや記憶、イメージを広く喚起される作品になる事を目指した。

何度も絵の具を重ねて描き込んだ十字架や星のアイコンの上を削り取るように同色の絵の具を擦り付けその上に残った痕跡は、困難を経験した後に残る希望や祈りのシンボルである。 今までに無い大変な経験をしたからこそ生まれた新シリーズ”Symbol”は、私の中で新たな一面を引き出した作品となった。