蔵本秀彦 展

2022年7月9日(土)〜8月28日(日)

水曜~日曜 : 11:00 ~17:00
展覧会最終日: 11:00 ~16:00

休 廊 : 月曜、火曜

夏季休廊 8月13日(日)~23日(木)

プレスリリース/藏本秀彦 展

あーとらんど ギャラリーは、藏本秀彦による記憶をテーマとした新作の油彩画と版画作品の展覧会を開催いたします。今回の個展は、当画廊では2018年に続き2回目の個展となります。蔵本は現在香川県を拠点として活動しています。

藏本は大学時代に版画を出発点としながらも、その後、2次元のイリュージョンよりも現実の材料を駆使して、表現したいものそのものを制作するという器用な能力を発揮して、作品制作を続けてきました。
しかし、2011年の東日本大震災を境にして、自らの作品はその前後でテーマも何もかも全部変わってしまい、その心情を次のように語っています。「僕は自分自身のために、忘れていく記憶を繋ぎ止めておくことをやっていこうって、ひたすら絵を描いていった。(註1)」

藏本は今回の展示では、シャンデリアを段階的に暈したイメージを用いて、人間の記憶の在りようを問うています。2018年にシャンデリアの前身となる作品を毎日SNSにアップしてその反応を見たそうです。最初は「いいね」の数が多く獲得できていたが、少しづつ暈したイメージをアップしていくうちに、フォロアーに飽きられてれてしまったのか「いいね」の数が減少、その後イメージが意図的に暈されていっているのに気づいたのか、「いいね」の数が増えたそうである。

今回展示している作品は、シャンデリアのシルクスクリーンイメージをベースに、油彩で手彩色した10段階の暈しの作品を制作しています。その10点の油彩画のシャンデリアの暈しをベースにして、更に細かい段階の暈しを加えて、30段階に暈した版画の小品を制作しています。
こうした作品を通して藏本は、人間の記憶がどれほど曖昧かつ不確かで、また、今記憶したと思っていることが直ぐに不確かになり忘れ去られてしまうという現実を思い起こさせます。その先には、忘れてはいけない社会の出来事を記憶に留め続ける大切さを、思い起こして欲しいと願っているのではないでしょうか。

(註1)出典:藏本秀彦「たゆたう海に降る雨。そして光」 高松工芸高等学校美術科 発行

藏本秀彦 Kuramoto Hidehiko

筑波大学大学院芸術研究科修了。学生の頃より和歌山版画ビエンナーレ、西武版画大賞展、クラコフ国際版画トリエンナーレ、ブダペスト国際展など版画領域で独自な手法が注目される。その後「毎日現代展」に連続出品。「安井賞展」「VOCA」「ACRYL AWARD」「FACE」「ART OLYMPIA」などのコンクールや「CROSSPOINT」(香川県立ミュージアム)、「高松市美術館コレクション+木村忠太とこぼれる光の中で」(高松市美術館)、「国讃めと屍」(瀬戸内海歴史民俗資料館)、「せとうちの大気―美術の視点」(香川県立ミュージアム)などの企画展に出品。その他、蝉丸(山海塾)、梅津和時(sax)、岩下徹(ダンス)、高橋芙美(渋さ知らズ)などコラボレーションも多い。
個展「Babel」を(1つだけ美術館)で開催中。(9/2-9/30)

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