亀井洋一郎 展 「Ceramics Drawing」
会期/2011年1月8日(土)〜1月30日(日)
10:00am〜6:30pm
火曜(予約営業)、休廊:水曜
会場/あーとらんど ギャラリー
出品/セラミック顔料やアルミナ紙などの陶磁器材料によって描かれたイメージを、板状の硝子で挟み込むように熱融着させた新作ドローイング約40点を中心に展示致します。
亀井洋一郎 展 「Ceramics Drawing」
会期/2011年1月8日(土)〜1月30日(日)
10:00am〜6:30pm
火曜(予約営業)、休廊:水曜
会場/あーとらんど ギャラリー
出品/セラミック顔料やアルミナ紙などの陶磁器材料によって描かれたイメージを、板状の硝子で挟み込むように熱融着させた新作ドローイング約40点を中心に展示致します。
プレスリリース
あーとらんどギャラリーでは、磁器で制作した格子構造体の一連の作品で知られる亀井洋一郎の個展を開催致します。今展は「やきもの」による造形の新たな展開を示すセラミックスドローイングの出品になります。亀井は1974年に香川県に生まれ、2010年8月から7人の作家が入居する共同スタジオ「淀」(京都市)を拠点に新たな 制作活動を展開しています。
亀井のこれまでの仕事を要約すると、「やきもの」の技法に内在している造形の新たな固有性と可能性を、作品制作を通じて思索し導き出すことでした。
彼は大学時代にやきものに出会い、前衛陶芸の先駆者から直接教えを受け、やきものによる新たな造形システムの模索を開始。様々な表現技法が展開されてきたやきものの歴史を振り返る思索の中から、彼が造形上の発想の起点として導き出したのは、「やきもの」と「うつわ(器)」の関係性でした。やきものには焼成という要件があるので、素材の量塊性には制限があり、内部に空洞を持つ形や薄い板状が必要になる。 このような器の中空性が、基本的な構造としてやきものによる造形の根底にあるという視点から自らの制作技法を見直し、新たな構造体の造形システムを導き出して行きます。
亀井が最初に開発した造形システムは、精緻な造形性を備えた透光性のある磁器を素材に、乾燥や焼成に伴う収縮や変形を考慮して泥將鋳込み技法を採用し、各6面が刳り貫かれた中空の立方体(格子)を単位として数百個集積した格子構造体でした。単位の格子自身が器であり、全体も格子状に区切られた内部空間を備えた器であるこの構造体が、やきものの形態の本質を感じさせるのは、「やきもの」と「うつわ(器)」 の関係性から導き出した新たな表現の可能性を展開しているからに他なりません。
2008年の亀井洋一郎展に出品された格子構造体(ラティスレセプタクルシリーズ)は、差し込む光りによって内部空間に生じる陰影のグラデーションを表現の主役とした光の受容器でした。この受容器では、単位格子の壁面の一部を刳り貫かず残す方法によって光を表現主体に昇華し、壁面を持つ格子の内部配列から自ずと形作られる外部の形態を採用している。光の存在を内部空間の構造が表現するこの錐体のスクリーンは、亀井が到達した「やきもの」と「うつわ(器)」の関係性から導き出したもう一つの可能性を示しています。
今展に出品されるセラミクス ドローイングは、このようなやきものによる造形の固有性と可能性の新たな次元の展開です。一見して絵画のような外観ですが、素材はガラス、アルミナ紙、撥水材、そしてセラミック顔料を使って焼成されたやきもので す。亀井の造形システムの詳細は以下の本人による解説をご覧いただくとして、「光 の受容器」から「セラミクスドローイング」に展開したドラマティックなシーンがどのようにして可能になったのか、見えない意図を探るように鑑賞するのも、今回の個展のもう一つの意義といえるでしょう。
(文責:山下高志)