「Ceramics Drawing(セラミックス ドローイング)」 亀井洋一郎i
今回のあーとらんどギャラリーでの個展は「Ceramics Drawing(セラミックス ド ローイング)」をタイトルに、陶磁器材料と板硝子を使用した作品を発表致します。i
「Ceramics Drawing」は紙状の耐熱素材であるアルミナ紙に、セラミック顔料 (陶磁器用耐熱着色剤)や陶磁器用撥水剤によって描かれたドローイングイメージを、 板硝子で両面から挟み込むようにセッティングした後、740℃以上で高温焼成させた 平面作品のシリーズです。これらはやきもの表現の新しい形式への試みとして制作さ れています。i
画面に描画されたイメージは使用材料の「滲み」と「撥水」の効果から成る偶然的 な変化を利用し、自らが設定したシステムに則って描かれています。刹那的に形づく られていく画面上のイメージは、焼成工程における板硝子の熱融着によって表面をコ ーティングされ、永続的な状態で作品内部に保存されます。i
私は本作において高温度の熱処理で際立つ「変化するもの」「変化しないもの」、 「残るもの」「残らないもの」といった陶磁器材料の物質的特徴を、ドローイング画 面を構成する要素として扱うことで、それらの持つ色彩や変容を簡潔に表面化させた いと考えました。こうした平面性への意識は、やきものを成立させている基本構造を 従来の技術体系とは異なった視点から探るものといえます。i
本展では、20色の相似形からなる連作を中心に、焼成による変容を取り込んだ実験 的な作品など約40点を展示予定にしております。ご高覧頂ければ、幸いに存じます。
亀 井 洋 一 郎
1974年 香川県に生まれる /2001年 朝日陶芸展でグランプリ受賞 /2006年 京都市立芸術大学大学院博士後期課程修了 /2010年 京都市芸術新人賞、香川県文化芸術新人賞受賞 /2014年 ジャカルタ現代陶芸ビエンナーレ(インドネシア国立博物館)に出展 /2016年 「工芸の現在」(菊池寛実記念智美術館)に出展 /2017年 「クロスポイント」(香川県立ミュージアム)、「物語る物質」(高松市美術館)に出展 /現在 沖縄県に在住