時代と枠    関 正和

自分の殻の中に閉じこもっていてはいけない、それを、打ち壊していかなければ進歩はないーーーよくいわれますが、本来、人間は一つのところにじっとしておられるものではない。絵画の世界でも意識して古いものを壊そうとしたというよりも、前の時代をそのまま受け継ぐことの苦痛が時代を変えてきたのだ。

古いものにあきたらず新しいものを求める渦が一つの時代を作る。しかし、どんな天才でもその時代からはみ出すことができない。はみ出すことができないというよりも、むしろ、その大きな渦の影響を受けていればこそ、その仕事の内容は革新的で大きな力になり得る。周りのものを蹴散らかして一人だけ飛び去るということは一例もない。そして、新しいものへの欲求は止まることをしらない。ラウシェンバーグやウォーホルも、もはや古典といえる。それ程、時代の歩みは早い。

従来の絵画とはまるで違って、作家のいいたいことを壮大な装置を使って表現する、一見、自由に見える現代美術といわれるものも、やはり、大きな枠に入っていることがわかる。
そして、時代を変えるといわれる大きな渦が、元は個人の希求から発展したものといえる。

関 正和 Seki Masakazu

1933 香川県丸亀市に生れる
1948 香川県展奨励賞受賞
1950 行動美術展入選
1952 自由美術展入選
1954 上京、井上長三郎先生に師事
1957 自由美術協会会員となる
1968 自由美術展自由美術賞受賞
1969 現代美術選抜展(文化庁)出品
1982 東京展賞受賞
1985 香川県展審査員となる
    香川県文化会館に作品収蔵
1986 フランス、イタリア、スペイン、イギリス滞在
1992 香川県文化会館にて個展
1994 丸亀市立資料館にて個展
2001 Galerie Lichtblick(ベルリン)にて個展、ドイツ、オランダ、チェコ滞在
2016 丸亀市立資料館にて個展
2020 逝去

1982年以降「美術画廊たなか」にて個展多数開催、1996年以降は「美術画廊たなか」を引き継いだ 「あーとらんど ギャラリー」に於いて 個展・グループ展を多数開催