村上有輝 略歴
2023 金沢市にて活動
2023卯辰山工芸工房 修了
2020 有)由水十久工房 退職
2014 金沢美術工芸大学院 美術工芸研究科 修士課程修了
2012 金沢美術工芸大学 美術工芸学部美術科油画専攻 卒業
1989 大阪府出身

大学院までの油画制作の経験をバックグラウンドに友禅染めの絵画作品を制作をしている。
雲や雨・川とかたちを変えながら自然風景を大きく循環する水をモチーフとしている。水はこの世界の法則を可視化するものと考えている。こころに沁みるという言葉があるように人の内面性と水が生む現象はつながっていると考えており、描く空間を心象風景としている

技法は主に友禅技法を使用している。糸目糊の白い輪郭線を「柄を防染する手段の結果」としてだけでなく背景との空間を作る線としてポジティブに捉えている。糊のドリッピングによる防染や、水の滲む・飛び散る・滴るといった特性を描写に取り入れることで、制作テーマと技法や素材のより強い結び付きを計っている。
また米由来の糊による防染や刷毛による引き染めは日本独自の染色文化であり、水を使った彩色・制作テーマと合わせて、私が染色作品を制作する動機ともいえる。

今後の展開としては、絵画制作において友禅技法と絵画表現の融和をさらに深め、工芸や造形表現に対するこれまでにないアプローチを続ける。
作品を発信し続けることで工芸をはじめ、友禅染めも時代に合わせて進んでいることを知ってもらうきっかけになればと考えている。

村上有輝  メッセージ

初めまして。 友禅染めの技法で絵描きをしております、村上有輝と申します。 この度は「ディメンションZero展」へご来場いただき、ありがとうございます。 以前、油絵を描いている時には材料や絵画史を理由に、漠然と”絵を描いている”という認識を持っていましたが、友禅染めで絵を描くことは素材や技法・分脈を越えようとすることであり、折り合いをつけなければならないことが数多くありました。 そこで改めて絵画とは何かを考え、自分なりに導き出した答えが現在のスタイルとなっています。 今回の作品は、八重桜をモチーフに曇りの多い金沢の空から着想を得ました。花の形を渦と捉えるなどモノの構造や力の作用に目を向け、実在しない空間を描いています。 どうぞごゆっくりご覧いただければ幸いです。