永岡かずみ  作家コメント

テラコッタで作品を制作しています。

時の移ろいや記憶の断片から着想を得たり、風土に宿る気配や日々の営みをすくい上げな がら、日常から一歩踏み出した世界をかたちにしています。

雲のモチーフを用いた表現では、形を変えながら移ろい続けるその姿に、儚さや永続性を 見出しています。雲は心のゆらぎの投影でもあり、顔が重なり合うことで感情を帯び、風 景でありながら物語性を持つ存在へと変化していきます。

また、土着的な由来を起点に発想を広げながら、反復や繰り返しといった根源的な行為そ のものから、かたちが現れることもあります。空気をまといながら土を積み上げ、削る、 点描する、こするといった作業は土の呼吸を感じながら自分の内側へと向かう時間へと変 わっていきます。

そのような心持ちで毎回「今」に焦点をあてながら制作に取り組んでいます。ろ過された 要素がかたちとなり、出来上がってきた作品からテーマや風景の輪郭が見えてきます。近 年一つの作品に複数の人格が現れはじめました。現実世界ともう一つの世界をつなげる作 品です。

本展示ではテーマを「つながる」とし、新作と過去作品をあわせて展示することで、現在 から過去へと連なる時間の連続性を見出すことができる展示になることを期待していま す。また紡がれた断片がつながり、新たな物語や風景を共有できればと思います。低温焼 成された土の表現とあわせてご高覧いただけますと幸いです。

永岡 かずみ


岡山県出身。2000年頃よりテラコッタを用いた彫刻作品を発表。

近年の個展

2025年 「呼応」サンコア(岡山県玉野市)
    「日々」tsugumi(東京都杉並区)
2024年 「森の小箱」八本足のオオカミ(東京都武蔵野市)
    「その姿」Gallery Camellia(東京都中央区)
2022年 「遠のいて近づく」サンコア(岡山県玉野市)
    「刻々と」Galleria Tokino-Shizuku(東京都世田谷区)
2021年 「とりとめのない日々」教文館エインカレムギャラリー(東京都中央区)
2020年 「うわの空」art space ruriro(埼玉県川越市)

主なグループ展

2024–2025年 「廃材ピンホールカメラでつかまえた光」調布市文化会館たづくり(東京都調布市)
2023年 International Ceramic Sculpture Symposium "LAB ORO 2023"(ポーランド彫刻センター/ポーランド)
2020年 「月見展」qibao.gallery七寶(中国)
2017年 第3回金沢・世界工芸トリエンナーレ2017「金沢・世界工芸コンペティション ー進化する工芸ー」金沢21世紀美術館(石川県金沢市)
2012年 第7回大黒屋現代アート公募展(板室温泉大黒屋/栃木県那須塩原市)
2009–2010年 「アートの今・岡山」(岡山県内巡回)
2007年 「共鳴する美術」倉敷市立美術館(岡山県倉敷市)

アートワークショップ

IDEA R LAB & Material Library(倉敷市玉島)
代田幼稚園(東京都)
塩竈市杉村惇美術館(宮城県)
他、個展開催ギャラリー等にて実施

メディア・作品設置

2025・2023・2021・2019年 「大原美術館とあなたが紡ぐ物語」記念品制作(大原美術館)
2020年 作品集「永岡かずみ合田邸の記録2016」「永岡かずみ代田幼稚園作品集」
2018年 平野克己著『説教を知るキーワード』(日本キリスト教団出版局)表紙・挿画
2019年 代田幼稚園新園舎レリーフ設置(東京都世田谷区)ほか13点
2006年 岡山済生会病院 作品設置 ほか