関 正和 追想展

■ はじめに

画家 関正和さんの胃の全摘出手術が、2015年秋。翌年3月には丸亀市文化振興賞受賞記念の大規模な展覧会が丸亀市立資料館と画廊で待っていました。出品作品の選定と搬出、個展作品の準備が控えていて、心配しながらその時を迎えたのが思い起こされます。

この大きな行事が無事終了して、また元のように毎年個展を開催したいとの画家の強い想いを伺い、その後2年間待っていました。その間、折に触れて電話を掛ける度に、「キャンバスに向かっても、なかなか気が入らない。」と話しながらも、「待っていて欲しい・・・。」という熱い想いが伝わってくるのでした。

 「とりあえず後援会を締めくくりましょう。作品が準備できたときには、いつでも個展を開きますから・・・。」とお伝えしたのが昨日のことのようです。振り返ると、画家と画廊の37年間の歩みの中で多くの人々に支えられてきたことは、他の何ものにも代えることはできません。

今回の展覧会は、これまでの個展を追想し、更には幻に終わってしまった個展をも追想したいという想いから、関正和さんと交流のあった皆様に思い思いの言葉を綴っていただきました。

あーとらんど ギャラリー

■ 画家 関正和さんと画廊の歩み

関正和さんの初個展は1982年、画家51歳。会場は、その3年前に田中恭一郎が開廊した「美術画廊たなか」でした。1996年には「あーとらんどギャラリー」が引き継ぎ、毎年のように個展を続け、最後が2019年。翌年11月2日享年88歳。

画家の一日は、キャンバスに向かって絵のことを考え描くこと。その絵を見て画家を知りファンになった人々と共に歩んできた、画家と画廊の37年間の歩みを概観します。

この歩みの出発点には、毎月一定額を積立てて個展開催時に好みの絵を取得するという後援会長が主催する関正和後援会(事務局 美術画廊たなか)がありました。

1984年~1996年の13年間の初代会長は、画家と丸亀高校同窓の岡田平八郎さん。個展初日の前夜には会長主催でオープニングが開かれ、お酒を飲みながら交流に花が咲き、好みの絵を選ぶという豊かな時間が流れていました。1993年には画廊が現在の場所に移転し、会員以外の方もオープニングに参加されるようになってきました。

1997年~2004年の7年間の2代目会長は、会員でもあった大鹿務さん。この時代には後援会以外の多くの方にも画廊に足を運んでいただけるように、個展の開催時期を夏から秋に移して会期を3週間に延ばし、2000年の初期の頃からは企画展講座を始めました。

2005年~2011年の6年間の3代目会長は、画廊の税務をお願いしていた石丸洋志さん。この時代には画家の丸高時代の友人知人や新しいファンも増え、以前にも増して四国各地や瀬戸内海へのスケッチの旅の案内や風景写真の提供をいただき、「始め油絵になりにくいと思い込んでいた日本の自然が描いていると面白くて仕方がない。」(出典:2005年「根太い造形をするために」)という画家の変化が現れてきていました。

その後、2012年~2019年の7年間は後援会長不在の時代でしたが、2013年には自らの画業を振り返るトークを行い、2016年には丸亀市立資料館で丸亀市主催の個展を開催していただき、市に作品36点を寄贈。同時に、後援会員の島川修治さん主催の祝賀会も画廊で開催していただきました。その後、2019年には画家の出席はかないませんでしたが、過去の作品で展覧会を開催して、後援会の終幕を無事迎えることができました。

これまで関正和さんの活動にいろいろな形でご支援いただいた全ての皆様に、この場をもちまして心からお礼申し上げます。

あーとらんど ギャラリー  山下高志

関 正和 Seki Masakazu

1933 香川県丸亀市に生れる
1948 香川県展奨励賞受賞
1950 行動美術展入選
1952 自由美術展入選
1954 上京、井上長三郎先生に師事
1957 自由美術協会会員となる
1968 自由美術展自由美術賞受賞
1969 現代美術選抜展(文化庁)出品
1982 東京展賞受賞
1985 香川県展審査員となる
    香川県文化会館に作品収蔵
1986 フランス、イタリア、スペイン、イギリス滞在
1992 香川県文化会館にて個展
1994 丸亀市立資料館にて個展
2001 Galerie Lichtblick(ベルリン)にて個展、ドイツ、オランダ、チェコ滞在
2016 丸亀市立資料館にて個展
2020 逝去

1982年以降「美術画廊たなか」にて個展多数開催、1996年以降は「美術画廊たなか」を引き継いだ 「あーとらんど ギャラリー」に於いて 個展・グループ展を多数開催