片岡理森 個展 <MOTHER TOWN ~私を育む町> 開催によせて

私は、人生で見つけた「疑問」や「気づき」を言葉と絵で表現しています。

当初は、とても個人的な感情だと思いつつ発表していましたが、各地で作品を観ていただくうちに、育った環境や国籍、信じる神様が違っても、なぜか自分ごとのような「共感」を皆さまに感じていただいていることがわかりました。それは、人間は抗いがたく「同じ」であることの証明でもありました。笑ったり、泣いたり、ねたんだり、怒ったり、夢をみたり、誰かを大切に想ったり……いつの時代でも変わりのない普遍的な人間の心の動きや人生観に目を向けることで、一人ひとりが自分という存在を俯瞰して考える時間をもつことができれば、もっと謙虚に互いを思い合って、どんな生物にも居心地の良い世界を育むことができるのかもしれない。いまは、そんな希望を抱きながら制作を続けています。

今回の個展のタイトルにした「MOTHER TOWN(マザータウン)」は、私の造語です。"故郷"を表す"ホームタウン"や、"母国"を表す"マザーランド"に対して、出生や居住の有無にかかわらず「そこで出会った物事によって心身ともに成長させてもらった町」という意味合いで表しました。自己というものは、もともと自分の内側に存在しているのではなくて、さまざまな経験のなかで次第に積み上げられていくものだと考えています。今ここに生きる「私」という存在を作る手助けをしてくれたであろう町や人。その面影を感じるような作品を集めました。作品をとおして、鑑賞される方それぞれが歩み、通り抜けてこられたマザータウンに思いを馳せていただければ幸いです。

片岡理森(かたおか・よしもり)

東京在住。多摩美術大学(油画)卒業後、個展を中心に、国内外の企画展やアートフェアで作品を発表。画材はアクリルやオイルパステルなどのミクストメディアで、コラージュも取り入れながら独特の世界観を表現する。

[近年の主な活動]
<国内>
2023年11月 個展 孔雀画廊(東京)/2023年4月-7月 企画展「現代作家たちが描いたクレパス画展」(鳥取,大阪,東京)
<海外>
2023年5月 企画展「IN BETWEEN THE LINES」(Madrid,Spain)/2023年3月 アートフェア「(un)fair Milano」(Milano,Italy)/2022年8月 企画展「Quick Art Finder Group Exhibition」(London,UK)