● 周 豪 展 オープニングトークのご案内
10月9日(日曜日)午後2時から、オープニングトークを行います。The Laforêt Family Summer Vacation Project へ、今年九月招待された周豪さんに、北イタリアの Ghiffa での4週間に渡る滞在制作のお話しなどをしていただきます。お気軽にご参加下さい !
周豪さんのイタリア滞在のエピソードを一つ。(オープニングトークから)
今回イタリアの大コレクター(招待者)が、自ら選んだ15名のアジアのアーティストを豪邸に招待。周さんは、8月末からに約4週間ほどスイス国境近くの北イタリアGhiffaで滞在制作をされました。往復の航空券のみアーティスト持ちで、滞在費は全て無料。勿論、夫婦連れオーケー。ただし、絵を一枚制作してそれを招待者に贈呈することが条件で、サイズは問わない。滞在制作で必要になる画材は招待者が全て準備。周さんは奥さん共に滞在制作されました。
周さんは出かける前から考えていた大作を2点残す予定で、朝から晩まで作品制作に没頭。昼食は食べないので招待者がワインをわざわざと用意してくれるという気の使いようだった。写真は、その制作の一端を撮ったもの。多くのアーティストがあちこち出掛けていくにもかかわらず、ひたすら油彩画の制作に没頭する周豪。自分と対峙するその時間を、この異国の地でも自らのアトリエと同じように過ごすことができるのは、描きたいという強靭な気持ちがあるからでしょう。これこそ周豪さんがアーティストとして存在できる証を見たような気がしました。
帰国する際に、招待者から非常に喜ばれ、作品を絶賛されました。このようなアーティストの作品を所有でき、その制作者とともに豊かな時間を共有できる至福を味わうことができる・・・・本物のアートとは、そのような何物にも代え難い時間を提供してくれるもの、といえるかもしれません。
略歴・主要展覧会歴・収蔵先
1960年、中国・上海市に生まれる。6歳から高校までの約10年間を文化大革命の時代に過ごす。
1983年、私費留学のため来日。翌1984年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科に入学。 3年次に新設された版画コースへ進み、同コースの第一期生としてリトグラフを学ぶ。 この時期から作品は次第に抽象的な表現へと変化していった。
同時期に柳宗悦の民藝思想に触れて感銘を受け、鈴木大拙の禅に関する著作などをきっかけに、 自国の古典文化を意識するようになる。 老荘思想の書物を繙く一方、日本および西洋の現代美術にも関心を寄せた。
1987年、小山敬三美術振興財団の奨学金を受け、 第1期アジア美術留学生として山梨県の白樺美術館で滞在制作を行う (東京吉井画廊協賛)。
1988年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画コース卒業。 1989年、日本政府(文部省)奨学金を受ける。 1990年、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コース修士課程修了。
大学院修了後、東京・東麻布にあった益田祐作主宰の版画工房MMGに入社。 描版と刷りの仕事に携わりながら、自身の版画作品の制作・発表を続ける。 2003年に退社し、以後、作家活動に専念する。
2008年、2010年の二度にわたり、益田祐作の斡旋により、 フランスの Atelier Rémy Bucciali で銅版画を制作。 2016年、LOVEART – Summer Artists Residence Project に参加し、 イタリアで滞在制作を行う。
上海と横浜を拠点に生活し、制作活動を続けた。 日本と中国を中心に個展を開催するとともに、 国内外の国際版画展やアートフェアに参加した。
2023年9月、逝去。享年62。