個展に寄せて   原 博史

私は、素材の生み出す美とその可能性を和紙と墨による表現で追求してきた。表現は抽象的でより簡素であることを望んだ。
墨は、松を原材料として作る松煙墨、油を炊きその煤で作る油煙墨があるが微妙に色合いが違う。
今回新たな試みとして油煙から発生する煤を直接、和紙やキャンバスに定着させる技法を用いた。「素の美」という今までのコンセプトに合う、より深化させた作品になったと感じている。

そして先日、ある作家が私の作品を紹介した言葉で気づいたことがある。それは「この作家は、画面に触れずして描いている。厳密に言うと描かない絵画の一つだ」と語った。
描かない絵画の先駆者といえば、かつてポーリングという技法を用い抽象表現主義<アクションペインティング>を生み出したジャクソン・ポロックであろう。
出発点は全く違うし意識することもなかったのだが、制作過程を通して共通する悩みと意義があるのか、再確認しなければならない。そして、私は未知なる可能性への領域へ第一歩を踏み出したのか?不安と希望を同時に感じている。

原 博史(本名:谷川博史)  略歴

まんのう町<香川県>在住
1956年 香川県に生まれる。
1979年 多摩美術大学絵画科 卒業

【個展】
2025年「原博史・混沌とノイズ」かまどホール (香川県/坂出市)
2024年「原博史展・海岸寺障壁画とともに」中津万象園丸亀美術館(香川県/丸亀市)
2023年「原博史展×谷川博子展」あーとらんどギャラリー(香川県丸亀市)
2022年「原博史1975〜2022展」アートエコーギャラリー(香川県/まんのう町)
2012‛14‛〜 ‘17‘19’21年 あーとらんどギャラリー(香川県/丸亀市)
2019年「かまどホール」(香川県坂出市)、「ギャラリーうみか」(香川県多度津町)
2016年「Hara Hiroshi works」がArt Beatus HK(香港)
2007‘08‘10‘15 ‘18年 ギャラリーなつか (銀座、京橋・東京都)
2008年「Hara Hiroshi works」Art Beatus Van(バンクバー市)

【公募展・グループ展】2000年以降抜粋
2026年 3月「アートエコーまんのう・山の芸術祭2025」(香川県/まんのう町)
2025年 11月「art study 小さな野外展」富士ヶ嶺グリーンクラブ前の野原(山梨県/河口湖市)
2025年 3月「第7回山の小さな展覧会」ことなみ未来館 他(香川県/まんのう町)
2024年 11月「明日に架ける・Biridgeover all art」旧辻小学校(香川県/三豊市)
2024年 9〜12月森の芸術祭晴の国・岡山「赤で彩るアート展」吹屋ふるさと村「旧片山家住宅」(岡山県/高梁市)
2024年 6月「異色の4人展」善通寺市美術館(香川県/善通寺市)
2024年 3月「第6回山の小さな展覧会」(香川県/まんのう町)
2023年 3月「アートエコーまんのう+山の小さな展覧会2022・呼応」(香川県/まんのう町)
2021年 11月「たどつアートフェスティバル2021」香川県/多度津町 屏風ヶ浦・海岸寺  「第3回山の小さな展覧会」香川県/まんのう町 ことなみ未来館