■ 「花いける」上映会のご案内
中川幸夫コレクション展の開催に伴い、下記の記録映画を上映いたしますので、是非ご観覧いただきますよう、ご案内申し上げます。
【上映日】 3月21日(土・祝日)
【会 場】 あーとらんど ギャラリー
【時 間】
1回目上映 午前10時〜
2回目上映 午後2時〜
(上映時間 約55分)
【料 金】 300円(椅子席 約25席)
【出演者】 中川幸夫、他3人(中川幸夫の出演時間は、最後の約5分です)
【制 作】 岩波映画製作所
【いけ花作品】
岡田幸三(いけばな研究家)
堀内宗完(表千家・堀内家)
長井理一(古流松藤会)
森 一森(遠州流一森会)
海野彰人(国風華道会)
鈴木英孝、鈴木曄、後藤昌弘(小原流)
中川幸夫(いけ花作家)
■ コレクション展余話
丸亀の染色家 田川 赫(故人)が、中野重治の「歌」を和紙に型染めした作品(註1)がある。
2004年当画廊で中川幸夫展を開いたとき、感謝の気持ちとして作家本人に贈呈しようと考えていた。
「華日記ー昭和生け花戦国史」早坂暁(著)によれば、中川幸夫は37歳(1956年)で上京する際、丸亀の郵便局で九州博多の半田唄子あてに「トウキョウデ マツ ユキオ」との電報を打ち、列車の中で手紙の代わりに中野重治の「歌」をしたためたとされる。
「胸先きを突き上げて来るぎりぎりのところを歌え」、生涯この歌の響きに共鳴し、93歳で他界。終に作家の手元に届くことのなかったこの型染めは、画廊の壁に残って今回の小規模なコレクションを運んで来た・・・妄想としての「遺言」のように。
画廊主 山下高志
(註1) 中野重治の「歌」
おまえは歌うな
おまえは赤ままの花やとんぽの羽根を歌うな
風のささやきや女の髪の毛の匂いを歌うな
すべてのひよわなもの
すべてのうそうそとしたもの
すべてのものうげなものを撥(はじき)き去れ
すべての風情(ふぜい)を擯斥(ひんせき)せよ
もっぱら正直のところを
腹の足しになるところを
胸さきを突きあげてくるぎりぎりのところを歌え
たたかれることによって弾(は)ねかえる歌を
恥辱の底から勇気を汲みくる歌を
それらの歌々を
咽喉(のど)をふくらまして厳しい韻律に歌いあげよ
それらの歌々を
行く行く人々の胸郭にたたきこめ
1918年 香川県丸亀市生まれ 流派を持たないいけ花の、戦後が生んだただ一人の前衛作家として国内はもとより国際的にも評価が高く、近年、写真作家としての評価も確立した。書、ガラス、文にも独特の才能を発揮している。 1978年 「世界で最も美しい本の国際コンクール」入賞 ライプチヒ カルティエ現代美術館 『中川幸夫作品集』(中川幸夫 私家版 1955)中川 幸夫
受賞歴
1999年 「織部賞グランプリ」受賞 岐阜県、「丸亀市文化功労者」表彰
2004年 「第11回日本現代芸術振興賞」受賞、財団法人 日本文化藝術財団、「第20回東川賞国内作家賞」受賞 作品収蔵
神奈川県立近代美術館
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 著書
『華 中川幸夫作品集』(中川幸夫 求龍堂 1977)
『ばけるほのお』(中川幸夫・三輪和彦 彩陶庵 1989)
『中川幸夫の花』(中川幸夫 求龍堂 1989)
『花のおそれ』(中川幸夫・村上直之 誠文堂新光社 1992)
『はながらす』(中川幸夫 ギャラリー無有 1993)
『魔の山 中川幸夫作品集』(中川幸夫 求龍堂 2003)