テキスト    谷口朋栄

これまで、鳥の子紙を支持体にアクリル、パステル、鉛筆などを用いたミクストメディア表現による作品制作を行ってきた。アクリル絵の具の耐水性と発色の良さを生かし、絵具を薄く溶き紙に落とすことで、偶発的にじみを画面に取り入れてきた。

とりわけモチーフとしては、女性を描いている。女性という型が持つ、儚さ・妖しさ・切なさなどを、にじみの形に乗せて情緒的に描くことを目指してきた。中には女性と一目でわかるものもあれば、中性的な人物として鑑賞者のニュートラルな心情に語りかける人物が描ければと考える。

そこで、今回の制作では人物の形を借りて人々が現代で感じている普遍的な心の揺らぎを、余白の美しさとコラージュによる物質感を通して表現する。支持体にも鳥の子紙に加えて雲肌麻紙を用いることで、紙白の美しさとにじみ柔らかさを取り込み、画面に描かれない世界を想像してもらいたい。

谷口朋栄

2010 高知大学卒業
2013 鳴門教育大学大学院修了
2012 Art Award Next②㈼②入選 
    アートコンプレックスセンター ポートレイト展 グランプリ
2013 損保ジャパン美術賞 FACE2014 入選