<現象>水刻のドローイング         原 博史

私は、手漉き和紙と絹本に墨を用いたドローイング作品を制作している。制作に際て素材の美しさを損なわず生かすよう心がけている。私は四国・香川県で生まれ育ち、現在の住居とアトリエは、山紫水明、穏やかな気候の香川県山間部にある。作品制作にはそうした環境からインスピレーションを得ることもある。

わたしは、10年ほど前に自己を見直すきっかけがあり、自分のそれまでの制作姿勢も見直した。かつて何のためらいもなく西欧画法の油彩による表現を模索していたこと、自分の表現の基となるアイデンティティーは紛れもなく日本人であることに由来し、かといって他のアイデンティティーを拒絶する意識もないことなど確認した。そして私はコンテンポラリーアートが帰属意識にとらわれず自由に表現世界の可能性を探り、人間個人の価値を尊ぶ表現であると考えている。

以降、私の作品は、様々な線がリズミカルな筆跡で描かれ集積拡散を繰り返し、墨による繊細な濃淡でグラデーションを作り上げる表現へと変化した。絵画鑑賞において画面になにかしら「形」を見いだそうとすることが多いと思うが、私の作品においては、明確な形を見いだすのは困難であろう。私は、ドローイングという行為を通して、画面に現れる様々な現象を、人間存在や様々な事物、現象に問題に結びつけようと表現している。

原 博史(本名:谷川博史)  略歴

まんのう町<香川県>在住
1956年 香川県に生まれる。
1979年 多摩美術大学絵画科 卒業

【個展】
2025年「原博史・混沌とノイズ」かまどホール (香川県/坂出市)
2024年「原博史展・海岸寺障壁画とともに」中津万象園丸亀美術館(香川県/丸亀市)
2023年「原博史展×谷川博子展」あーとらんどギャラリー(香川県丸亀市)
2022年「原博史1975〜2022展」アートエコーギャラリー(香川県/まんのう町)
2012‛14‛〜 ‘17‘19’21年 あーとらんどギャラリー(香川県/丸亀市)
2019年「かまどホール」(香川県坂出市)、「ギャラリーうみか」(香川県多度津町)
2016年「Hara Hiroshi works」がArt Beatus HK(香港)
2007‘08‘10‘15 ‘18年 ギャラリーなつか (銀座、京橋・東京都)
2008年「Hara Hiroshi works」Art Beatus Van(バンクバー市)

【公募展・グループ展】2000年以降抜粋
2026年 3月「アートエコーまんのう・山の芸術祭2025」(香川県/まんのう町)
2025年 11月「art study 小さな野外展」富士ヶ嶺グリーンクラブ前の野原(山梨県/河口湖市)
2025年 3月「第7回山の小さな展覧会」ことなみ未来館 他(香川県/まんのう町)
2024年 11月「明日に架ける・Biridgeover all art」旧辻小学校(香川県/三豊市)
2024年 9〜12月森の芸術祭晴の国・岡山「赤で彩るアート展」吹屋ふるさと村「旧片山家住宅」(岡山県/高梁市)
2024年 6月「異色の4人展」善通寺市美術館(香川県/善通寺市)
2024年 3月「第6回山の小さな展覧会」(香川県/まんのう町)
2023年 3月「アートエコーまんのう+山の小さな展覧会2022・呼応」(香川県/まんのう町)
2021年 11月「たどつアートフェスティバル2021」香川県/多度津町 屏風ヶ浦・海岸寺  「第3回山の小さな展覧会」香川県/まんのう町 ことなみ未来館