筆塚稔尚 Fudezuka Toshihisa

1957 香川県生まれ
1983 東京芸術大学大学院 版画専攻 修了
1989–1990 カナダ政府給費留学 アルバータ州立大学(カナダ)
1990–1991 オタワ・スクール・オブ・アート 講師(ジャパン・カナダ・ファンド)
1999–2000 文化庁芸術家在外研修員として、クラコウ美術大学・ウッジ美術大学(ポーランド)

■ 画廊企画展
アート工房クアトラ(広島)・あーとらんどギャラリー(香川)・アートゾーン神楽岡(京都)・みさき画廊(大分)・ザ・トールマンコレクション(東京)・諄子美術館(岩手)・ヒロ画廊(和歌山)・柳沢画廊(埼玉)・養清堂画廊(東京)
ほか、国内外にて個展100回以上。展覧会の企画・運営を多数手がける。

■ 美術館企画展・国際展・グループ展・受賞
2023 「版とことば」展 ギャルリプチボワ(大阪)
2022 岡田まりゑ・筆塚稔尚 二人展 ヒロ画廊(和歌山)
   Seed Stories 展(2022– )
2020 「京都空想装丁室」展 アートゾーン神楽岡(京都)
2019 「コレクション+ギホウのヒミツ〈版画編〉」高松市美術館(香川)
   「Pianissimo」展 ビュランによる三人展 アートギャラリーミューズ(群馬)
2018 「冬の図書館」展 Gallery FUURO(東京)
   「西洋版画を視る―エングレービング:ビュランから生まれる精緻な世界」国立西洋美術館(東京)
   「秋の図書館」展 岩崎ミュージアム(神奈川)
2017 《プチボワ文庫》展 ギャルリプチボワ(大阪)
   CROSSPOINT 展 香川県ミュージアム企画展(香川)
2016 tribuna graphic 2016 クルジュ=ナポカ美術館(ルーマニア)招待出品
2014 Hangzhou Art Fair(杭州・中国)
2013 “world printmaking one” Mile End Art Pavilion(ロンドン・英国)
   “25 × 25:現代日本・オーストラリア版画”展(シドニー・オーストラリア)
2010 「日本現代版画展」ティコティン美術館(ハイファ・イスラエル)
2006 バハラート・バハマン国際版画ビエンナーレ(インド)招待出品

■ 収蔵先
滋賀県立近代美術館・宮城県立美術館・東京国立近代美術館・埼玉県立近代美術館・黒部市立美術館・塩釜市民図書館・大阪府立現代美術センター・カナダ・カウンシル(カナダ)・クリーブランド州立美術館(アメリカ)・大英博物館(イギリス)・ティコティン美術館(イスラエル)・クラコウ国立演劇大学(ポーランド)・ウッジ国立美術館(ポーランド)・パリ国立図書館(フランス)・ドレスデン州立美術館(ドイツ)・ほか

筆塚稔尚 テキスト

■ 絵は同じ視覚対象でも、映像のような時間軸がない、動かないもの。だから創る人や見る人が動くことになる。創る人は心を動かすものに形「依代」を与えるために動き、見る人はその経験と知識が閃きをもたらし心が騒ぐ。その束の間こそが時間軸を得て続く物語りのはじまり。

-リトルクリスマス-小さな版画展2019コメントより-



■ 私の絵には二つの柱があります。ひとつは「心」という見えない意識を様々な形を借りて抒情的に現した絵。もう一つは「心」をひとつの「器」や「型」になぞらえ、その留まらないありさまを色と形を添えて現したものです。

柱といっても裏と表、右と左のようなもので、心の揺らぐ振れ幅のようなものです。一見全く別の作者の様に思われてしまう私の絵ですが、これは長い間に自分が描き残したいものは「心のありさま」ということに気付いたからです。それは「むらぎも」という一語に出会ったことで確信に変わりました。「むらぎも」とは心の枕詞でとても古い言葉。不思議なことに、漠然とした潜在意識が、たった一語に出会うことで、これほど自由な意識をもたらすとは今まで経験がありません。だから「心」を絵に現すことができるなら、具象とか抽象という違いは私には些細なことのように思えます。ただ潜在する妄想が私の体から離れ、絵として描き残せるなら。

2013.10.12 筆塚稔尚