櫻井伸也 Shinya Sakurai
2017年 5月21日(日)〜 6月11日(日)
10:00am〜6:30pm
火曜(予約営業)、休廊:水曜
出 品:新作 United colorsシリーズ‥‥ 20余点
櫻井伸也 Shinya Sakurai
2017年 5月21日(日)〜 6月11日(日)
10:00am〜6:30pm
火曜(予約営業)、休廊:水曜
出 品:新作 United colorsシリーズ‥‥ 20余点
■ オープニング 茶話会
「イタリア現代美術の中で」 櫻井伸也
日時 5月21日(日) 11時〜12時30分 会場 あーとらんど ギャラリー 参加費 無料
大学を卒業後すぐにイタリア行きを決断。以降イタリア第2の工業都市 トリノを拠点としてイタリア現代美術の中で、アーティストとして活動 してきた経緯を伺います。 イタリア、トリノの街、現代美術の動向からギャラリーやアトリエ事情 など興味の尽きない話題について、お茶をいただきながら作家と会話を 交えてお楽しみください。 是非、皆様のご参加をお待ちしております。
■ 茶話会を終えて
櫻井さんのオープニング茶話会が終了、ご参加いただいた皆様、有り難う ございました。 今回は、イタリア現代美術の中で、アーティストとして活動してきた経緯を 詳しくお伺いできました。 締めくくりは、イタリアの戦後を代表する「貧しい芸術」の意味をもつ「アルテ・ポーベラ Arte Povera」の活動にまで話が及びました。内容は、以下の筋立て (櫻井さんのメモ)の通りです。
● イタリア、トリノについて イタリア、トリノの街、現代美術の動向について ● 作家としてイタリアで生活していくには ギャラリー、アトリエ事情 ● アートフェア、ヨーロッパの中でのイタリアの現代美術の状況
櫻井伸也 SHINYA SAKURAI
1981 広島県生まれ
2004 大阪芸術大学芸術計画学科卒業
トリノ・アルベルティ-ナ美術アカデミー舞台美術科入学
現在 日本、イタリア、フランス、ドイツ、スイス、スペイン、オーストリア、韓国、香港、台湾等各地で個展、グループ展を開催。ファション、ワインラベル、インテリア等のデザイン、コラボレートも手がける。
イタリア、トリノ在住
個展(SELECTED SOLO EXHIBITIONS)
2020“Symbol” Contemporary HEIS/東京(18.16.15.14)
“Delicious Colors" ギャラリーパリ/横浜(18.16.14.12.10.08)
"Delicious Colors" 福山天満屋アートギャラリー/福山(15.18)
"Shinya Sakurai” Espace 446/大阪
2019"Delicious Colors" Galleria IL Castello/ミラノ/イタリア
"Delicious Colors" あーとらんどギャラリー/丸亀(17.15)
"Delicious Colors" Maeda Hiromi Art Gallery/京都(17.15.13)
"Colors & Cultures” 香希画廊/富山
2018"My Favorite Colors" CARUSO GALLERY/メッシーナ/イタリア
“Colors & Cultures" GlobArt GALLERY/アックイテルメ/イタリア
2017"United Colors" Galerie Lattemann/ダルムシュタッド/ドイツ
"My Favorite Colors" Fondazione San Domenico/クレーマ/イタリア
2016 "United Colors" 岡山天満屋本店美術画廊/岡山
2015 "e intanto fioriscono i ciliegi" Eidos Gallery/アスティ/イタリア
2014 "Atomic heart" Maria Cilena Gallery/ミラノ/イタリア
2013 "UNITED COLORS" BASE GALLERY/東京
"LOVE POOL" ギャラリーヤマキファインアート/神戸
2012 "LOVE POOL" Galleria Albanese Arte/マテーラ/イタリア
2011 "FLY The FLAG" The White Gallery/ミラノ/イタリア
2010 "ONE" Art Mark Gallery/ウィーン/オーストリア
2009 "INTELLIGENCE SURFACE"クレモナ現代美術センター/クレモナ/イタリア
2008 "LOVE COMMUNICATION" マチェラータ美術アカデミー/マチェラータ
2007"LOVE from HIROSHIMA" Galleria Arte Giovane/アスティ/イタリア
2006 "LIFE IS BEAUTIFUL" Gallery CATARTICA /トリノ/イタリア
2005 "NEW TYPE" ミラノ日本総領事館/ミラノ/イタリア
受賞(AWARDS)
2008 ファイナリスタ/ローマ国際青年美術コンクール/ローマ文化連邦局/ローマ
2007 ヒロシマスカラシップ奨学生/公益財団法人ヒロシマ平和創造基金
2005 優秀賞/国際青年美術コンクール/カロッソ市/イタリア
2004 NHK大阪放送局長賞/2004大阪工芸展/ATCデザインミュージアム/大阪
2003 大阪造幣局長賞/2003大阪工芸展/ATCデザインミュージアム/大阪
コレクション(COLLECTION)
Roberto Bilotti Ruggi d'Aragona現代美術館/コゼンッア/イタリア
Fondazione San Domenico/クレーマ/イタリア
カストラ-ノ市庁舎/カストラーノ/イタリア
クレモナ県立現代美術センター/クレモナ/イタリア
Galleria Vik Milano/ミラノ/イタリア
テキスト
私はいま、櫻井伸也の作品の前に立っている。櫻井の作品には、語りを促す何かが 介在している。櫻井の制作は、その注意深く構成された方法によって、モティーフ の現前と不在とが徹底的にコントロールされている。それは、作品を批評する者の ステレオタイプな言辞をあらかじめ封じておくための罠のようにも感じられる。彼 を、絵画という野生のなかを、経験に基づく計略によって踏破する狩人になぞらえ ることは、あながち間違ってはいないと思われる。今度、作品の色彩に大きな変化が生じたことで、ある角度から、櫻井の仕事に通底する何かを掴みだすことができるのではないかと私に直観させた。
作品は自然光に照らされ、周囲の白壁へと、色彩を放射している。作品が光を受け止める時、絵画が生み出された場所、此処ではない何処かを強く暗示させる。それは単純に、場所による光を透過させる環境の違いを示しているだけではなく、絵画は常に、ひとつの光源(太陽)が見せる、複数の、一回的な経験を伝達していることを意味する。
水玉等の柄をプリントした支持体に、濃厚なメディウムを混ぜた油絵具によって、有機的な形態を充填し、絵具が完全に固まる前に、象徴的な形象(十字や髑髏等)を型押すという手法は、近年までと同様だが、今回は青(AZZURRI)を大きなテーマとしている。加えて、型押しによる象徴的テーマを画面の内部に沈潜させるために、オールオーヴァーで、スタティックな画面構成を採用していたこれまでとは異なり、キャンバスはコンポジションによって複数に分断され、複数の青や緑などの近傍色によって、明快でありながらも、複雑な階調が作られている。それらによってもたらされた画面の流動性は、以前の作品のような、カラフルでありながらも抽象的で無名的世界が広がる印象を離れ、地中海的な海の感触のようなもの(土地に根差した色彩や明るさや風のような)を具体的に感じさせるものだ。
生まれ故郷のHIROSHIMAを念頭に置いたキノコのような形象、海を思わせる青と十字架や髑髏など、櫻井の絵画においては、常に生と死を巡る記号的象徴が、色彩と形態の律動的な運動によって、互いに激しく入れ替わりながら、複数のキャンバスを移動し、往還してみせる。近年の、象徴性に対して、抽象性が勝った画面展開は、作品の強度を増すことに貢献していた。そして、今回の流動的な画面展開は、強度を増したキャンバスを、もう一度象徴性が渦を巻く、画家の心的世界の根源へと立ち返らせるもののように感じられた。形式的な造形の道筋が周到に準備されながらも、内容を失わない(むしろせり出してくる)稀有な画家だと思う。
上田和彦